今年の桜は開花が早かったこともあり、もう花吹雪になりました。
毎日、お客様から「桜よかったよー」「雨だけどなんとか持ちこたえているみたい」などとお話を聞かせていただくたび、今年はまだ一度も目にしていない高田公園の桜の様子を頭に描いていましたが、ようやく夜晴れた日があったので、少しだけ出かけてきました。
もう満開を過ぎていましたが、夜空に映えてきれいです。
色々な桜の名所を見に行きましたが、贔屓目を差し引いても、他の場所に引けをとらないと思える迫力があります。
高田公園の桜は、陸軍第十三師団の入城を記念して明治42年(1909年)に在郷軍人会によって2,200本の桜が植えられたのが始まりです。
軍がひきあげるとき、軍の桜だからと全部切ろうとしたところを、地元の婦人達が高田の宝だから残して欲しいと懇願し、残ったのだそうです。
これだけの桜を今楽しめる背景に、そんな熱い人の想いがあるのだと思うと感慨深いです。
今では公園内と周辺合わせて約4,000本の桜があるといわれ、京都の円山公園、長崎市の丸山公園と合わせて”日本三大夜桜”に数えられる他、2012年にはCNNから「この季節にぴったりな世界五つの花見旅行先」の一つとして紹介されたとのこと。毎年全国各地から100万人を越す人が訪れるのですから、高田公園の桜も、本当に有名になったものです。
ピークの時には旧高田市内は車が渋滞し、駅は入場制限する程だったとか。今日も平日にもかかわらずかなりの人出でした。
こちらの忠霊塔前のしだれ桜も見所のひとつ。昨年の大雪で大枝が落ちてしまったのは残念でしたが、折れた枝はきれいに整理されていました。
せっかくなので・・・3年前、満開の時の写真です↓
高田公園の桜はほぼ染井吉野(ソメイヨシノ)ですが、実は接木でしか増やせないクローンなんですよね・・。大元はたった1本の桜なのだそうです。
寿命も100年ほどだそうで、桜が植えられた時期を考えると、そろそろ寿命を迎える木が増えて来る頃かもしれません。
古い木を守る事に加えて、今から少しずつ、若い桜を植えていくことも大事ではないかな・・・と思います。
でも、だからこそソメイヨシノは一斉に咲いて一斉に散るわけで、先に花だけをつける華やかさと、散り際の潔さが日本人の美意識に合っていて、これほど愛されたのですね。
”世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし” 毎年桜で一喜一憂、心がざわつく心境は、いつまでも変わらないものですね。