大雪で大変な時ではありましたが、2012年のあわゆき道中、瞽女の門付け、そしてライブ演奏、無事に行なうことができました。
今日は朝から組長の事務所をお借りして、2人でスキー汁の仕込み。
50人分作る予定でしたが、分量の感覚がいまいち分からず・・でも、野菜のうまみがたっぷり出て、美味しくできました。
明治44年、レルヒ少佐によって高田にスキーが伝えられ、13師団でスキーの訓練が行なわれていた頃、軍隊食として作られたのが発祥では・・と言われています。
元々は兎肉を入れていたのですが、今では豚肉で代用されるようになりました。
大根、人参、さつまいもなどは、スキー板に見立てて拍子切りに。ごぼうはストックに見立てて細長くささがきに。
椎茸は傘の見立てです。
味噌を入れてからお豆腐を入れます。お豆腐は雪だそうです。
午後から、それぞれかくまき・トンビ・マントを着て街中をめぐるあわゆき道中スタート。
今年は大雪で交通機関に影響があり、遠方の方々が来られなかったり、地元の人たちは雪の処理に追われたりで、少し参加者が減ってしまいましたが、雪国らしい風情がいっぱいの道中になりました。
暖冬の年は羽織るのに少々違和感もあったかくまきですが、今年は厚手のウールの暖かさを身を持って実感しました。
高田小町の中では、瞽女にちなんだ御菓子やお米、お酒などの他、美味しいコーヒーや海苔巻き、地元の魅力満載の絵葉書が並びました。
朝作ったスキー汁も一緒に販売。今年はお店の種類が豊富で、小町も贅沢な空間になりました。
続いて東京から来て下さった、瞽女唄を演奏される月岡祐紀子さんを先頭に、瞽女の門付け再現も行なわれました。
私も一番後ろにくっついて、瞽女さんをさせていただきました。もちろん目は見えていますが、傘を被ると視界がほとんどなくなります。
足並みがそろわないと足がぶつかったり、でこぼこの雪道に足をとられたり、3人で連なって歩くのはとても難しいです。
目の見えない瞽女さんはスタスタと歩いていくのに・・瞽女さんの感覚のすごさを実感しました。
街中に三味線の音が響きます。懐かしい音色が耳に心地よいです。
町家の風情のある五件のお宅で、門付けをさせていただきました。
小さな空間で、人が囲んで聞く三味線の音や、瞽女唄の調べは、とても身近で柔らかく、あったかい感じがします。
終わるとみなさんから少しずつお米をいただきます。
最後に高田世界館で、生前の杉本キクイさん、杉本シズさん、難波コトミさんを映した映画を上映。
以前は、16ミリフィルムで保存されており、白黒の映像だったのですが、今回DVDになり、きれいなカラー映像で上映することができました。
映画の後は、月岡さんの瞽女唄ライブをたっぷりと聞かせていただきました。
何度も聞かせていただくうちに、すっかり耳に馴染んだ瞽女唄ですが、何度聞いても飽きません。むしろ、身体になじんだ唄をもう一度聞きたくなるのです。
中棹の三味線の素朴で柔らかい音も、心地いい響きです。
高田の街に最後まで残った瞽女文化、この街にとって、とても貴重な財産だと思います。
これから少しずつ光があたって、たくさんの人がこの街を見直す、ひとつのきっかけになっていってくれたら・・と思います。