まだ朝方は冷え込みますが、ピンと張った空気の中にもふと春の香りを感じるようになりました。
街中にも桃の花やお雛様が飾られて、雅やかな気分になります。
先日JCVで紹介されていた光源寺さんのお雛様を見せていただきに行ってきました。
お部屋に入れていただくと、その大きさ、立派さに圧倒されました。
内裏雛も供揃いも8寸程はありそうな大きさ、座っている畳にも立派な化粧が施されていて、元は身分の高い人の持ち物ではないかということです。
定かではありませんが、享保雛と言われているそうで、少しほっそりした品のいいお顔立ちでした。
お道具類も、少し小さいながら、実際に使えるのではないかと思えるような見事な作りで、まったく手を抜いていない細やかな細工が美しかったです。
以前は実際にお料理をつけていたのだそうです。
光源寺さんにこのお雛様を寄進された方は、ご実家が高田の遊郭のお嬢さんで、嫁ぐときに三組あったうちの一組をもらっていったとのこと。
「そのときすでに古い古いお雛様でした」とおっしゃっていたそうです。
おそらく江戸時代の職人さんに手をかけて作られて、色んな人の手に渡って大事にされ愛でられてきたのでしょう。そんな色んな人の思いの感じられるお雛様でした。