「ある精肉店のはなし」世界館で見てきました。命をもらう事の一番身近にいらっしゃる方々のドキュメンタリー映画です。
ともすると普段何気なく食べているお肉ですが、お店に綺麗に並んで、私たちの食卓に上るまでに、短い生涯で命を絶たれる動物と、動物の命を絶って加工する事を担ってくださっている方々がいらっしゃるという事を再認識させてくれる映画です。
映画に出てくるお肉屋さんは、牛を育てるところから、屠畜、加工、販売まで、全てを家族でされているお店で、そこには一頭一頭の命に向き合う真剣なやりとりが感じられました。
お肉は切り分けられ、内蔵は油をとった後に加工され、骨は煮こごりに。革はだんじり太鼓の革に生まれ変わっていきます。
数十年前には高田の街中にも屠畜場があったそうですが、こうした身近な屠畜場は現在殆ど無くなったのではないでしょうか。
言葉だけでも、昔は「屠殺」と言われていたのが、「屠畜」に代わり、さらに「と畜」となったように、こうした部分はだんだん暈され、人の目に触れなくなり、システム化されるようになってきています。
生きる以上、他の命をもらう事は仕方がないことと思いますが、あまり見えなくなると、現場から遠く離れた私たち自身が無意識に食べ物を捨てるようになったり、大量生産大量消費で命をもらうという事が機械的になっていくいように思います・・。
食べるからには、ぜひ見て知っておきたいことだと思います。