先日、長岡の近代美術館へ「小千谷縮 越後上布展」を見に行ってきました。
木村孝さんの公演ときものファッションショーをお目当てに、車で乗り合わせて出かけたのですが、苧麻糸の手紡ぎやいざり機での織り、括りによる柄付けなどの実演もされていて、色々と勉強させていただきました。
江戸時代から現代までの、きものや裃、神社に奉納された生地など、かなりの数を、ガラス越しでなく直に見せていただけるのですが、麻糸と思えないほどの細い糸で織られた生地に、おもわず感触を確かめたくなってしまいました・・・。(もちろん触ってはおりませんが
)
中には、非常に大胆で粋な柄付けのものもあって、昔の人のセンスに感嘆しました。
小千谷縮・越後上布は、雪上の雪さらしなど雪国文化の特質を有するとともに、原料から加工技術全般にわたって純粋の古法を伝えていることの貴重性が評価され、2009年の9月、ユネスコ無形文化遺産に、工芸品としては最初の登録を受けたということです。
現在、生地がこの越後上布として認定されるためには、
・糸は手紡ぎの苧麻糸のみを使うこと
・絣の柄付けは手作業で糸を括ること
・いざり機(地機(じばた))で織ること
・湯もみ、足踏みをすること
・雪さらしでさらすこと
という条件を満たさなければいけません。
小千谷縮はどちらかといえば普段着ですので、この時期は気軽に着ることが多いのですが、そのきものもこうして気の遠くなるような手間隙を経て出来上がっているということを、改めて実感しました。