今日は久しぶりに個人的にお休みをもらい、東京まで行ってきました。
仕事がメインの時は早朝から車で行きますが、今日は一人なので、のんびり電車にゆられて旅気分。
大宮周辺で何気なく窓の景色を見ていたら、いきなり富士山が目の前に。地図を見ると、近くに「富士見市」があるので、この辺は富士山が見える絶好のスポットなのでしょう。
さすが日本一、ビルの合間から見えても美しい。そしてこんなに遠くから見ていても、迫力を感じる大きさです。
ビルがなかったら富嶽三十六景のような景色でしょうか。
何十回も東京まで往復しているのに、今まで一度も富士山を見たことが無かった気がします。曇っていたのか寝てたのか?不思議です。
日帰りなので用事を済ませるとあまり時間が無くなってしまうのですが、せっかく東京まで行ける機会、いつも時間いっぱい使って見たいところを順番に回るようにしています。
博物館や美術館、歌舞伎座に最新鋭の機械を使ったプラネタリウム、ものすごく美味しいと話題のかき氷屋さん、整理券が無いと入れないふくろうカフェ・・・行きたいところは数知れずですが、今回はそれらをぐっと我慢し、高田にもゆかりのある場所、上野にある旧岩崎家住宅を見学することにしました。
都会の真ん中で、ここだけ時間が止まっているかのよう。外も内も細部までこだわって贅をつくした建物は本当に素敵でした。
政府関連の建物の設計を手掛けた、イギリス出身の建築家、ジョサイア・コンドルの設計で、国の重要文化財に指定されています。
内装は天井や床のタイル、柱や添え付けのヒーターの側面にまで、装飾が施されていて、とっても豪華。壁紙には金唐革紙が使われていたそうです。その壁にある電気のスイッチさえ、デザインがカッコいい。
独特の質感の飴色の柱は、塗料が塗られたわけではなく、長い時間をかけて自然に木からにじみ出た風合いなのだそうです。
今の時代には作ることのできない、一つとして妥協のない建物を見ていると、素晴らしいと思うと同時に、何か儚い氷細工を見ているような、ちょっと切ない気分になりました。
こちらは和館。洋館とつながっていますが、見事に空間は分けられています。華やかな洋館から、侘びた和館に移ると、日本の余計なものをそぎ落とした美しさに、またはっとさせられます。
和館の出口から出ると1階、2階とも、庭を見渡せる洋館の大きなベランダが目の前に。
こちらのサンルームは1910年頃の増築だそうです。
広々とした庭園。紅葉の真っ盛りで綺麗でした。今でもかなりの敷地ですが、国有化以降用地転売され、今残っているのはかつての一部だそうです。
江戸時代は高田藩の最後のお殿様、榊原家中屋敷だった場所ということで、ちょっぴり高田とのご縁も感じました。
こちらは庭園を歩いていくと見えてくる撞球室(ビリヤード室)。山小屋風の木造ゴシック様式で、壁の鱗のような模様が可愛い雰囲気でした。
未公開でしたが、洋館の地下と地下通路で繋がっているそうで・・・すごいです。
帰り際、入り口に立っている大銀杏が太陽にあたって輝いていました。
中で団体さんに説明していたガイドさんのお話しを漏れ聞いたところによると、こうした木々の雰囲気を大事にして、立地からこだわって建てられたそうです。
広い敷地を歩くだけで時間が尽きてしまいましたが、一人でゆっくり贅沢な空間を満喫させていただきました。