最近着付けを習ったので、頑張って自分できものを着ているのですが、長い時間着ていると、どうしても着崩れてきてしまいます。
着崩れないコツなどありますか?
A:
きものは洋服と違って身体に沿わせて生地を裁断していないので、どうしても着崩れるものなのです。
だから、「着崩れてはいけない」と力まなくても大丈夫ですよ。
着崩れてきたら、そのままにせず、そのつど直せばいいのです。
身八ツ口から手を入れて衿先をひっぱれば、衿の緩みを直せますし、おはしょりが撚れても下に引っ張ってから左右にシワを消せばきれいになります。
裾が落ちてきたときには、腰紐の下に指を入れて、反対の手で生地を上に上げてください。一箇所だけでなく、全体に上げるのがポイントです。
・・とは言うものの、着付けの時点での大切なポイントもあります。それは、着物を着る前の土台作り、「補正」です。
肌襦袢を着たら、その上から、ウエスト、ヒップの上、肩のくぼみなどに、タオルや綿などで補正をします。
人それぞれ体型が違いますので、どこにどれくらい補正を入れるかは自分の身体に合わせて決めてください。本当に普段着で楽しむときには、ウエストくらいでいいかもしれません。
ただタオルを巻くだけでなく、足りないところに多めに補正が入るように、タオルを折って紐で縛るなど、工夫をしてもいいですね。
足りないところを補うだけでなく、出ているところを押さえることも大切です。
身体のほうを着物に合わせて、なるべく凹凸をなくし、筒型に近づけるのがポイントです。
紐はどれもきつく縛ると苦しいので、伊達締めなどはきちんと抑える程度で構いませんが、着物を一本で支えている腰紐だけは、しっかり緩まないように締めたほうが、全体がしっかりと安定します。
そのときに補正のタオルを巻いていると、紐が身体に食い込まず、楽です。
最後に・・着物を違和感無く着るには、なにより数多く着ること!これにつきます。
何度も着ていると、着物が身体になじんできて、自然に着崩れた雰囲気が、逆に味わいになるのではないでしょうか。
特に普段着に関しては、シワ一つ無くピシッと着るよりも、着慣れた感じがして、素敵だと思いますよ。
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